離婚前提策略婚。【改訂版】
「それなら諦めなさい。そういえばあなた達、結婚指輪は買ったの?」

「結婚指輪?んな暇ねぇよ。お陰様で」


つーかいらねぇし。


「あら!じゃあお父様が帰られる前に用意しておきなさい!」

「休んでいいんですか~?」

「指輪を買う時間くらい抜けていいわよ」

「や、普通に休ませろよ」

「そんな時間ないわ。あとでテストしますからね」

「は?!テスト?!」


なんだそりゃ!


「今までの勉強がちゃんと頭に入っているかのテストよ」

「んな学生じゃないんだから」

「学生時代遊び呆けていたんだから、その分今やるのよ。それじゃわたしは接待に行くからね。21時になったら帰っていいわよ」

「たまには早く帰らせろよ」

「テスト次第ね。頑張りなさい」


バタンと音を立てて麻友ちゃんは社長室から出て行った。


あ~、まじだりぃ。経営の基礎なんて資料見なくてもわかるっつーの。しかもこの資料、俺からすれば古過ぎ。こんなんでこれから先、やっていけんのかよ。

…ま、俺には関係ねぇか。これで一応成り立ってるんだもんな。


─ていうか、今日も帰ったら俺が夕食作るのか?
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