離婚前提策略婚。【改訂版】
「今日はいい。このまま休め。さっきも言った通り、俺は急な仕事が入った。お前の相手をしていられない。俺とお母さんは会社に向かう。お前は家で大人しくしていろ」

「それでなんでマンションじゃなく実家なんだよ」


つーか急な仕事って、桜庭家にいる間は入りようがなかっただろ。誰とも連絡とってねぇんだから。


「お前は野放しにすると何をするかわからん。家にいて俺達の帰りを待っていろ」

「何もしねぇっつーの。何なんだよ、意味わかんねぇ」


どんなに問いかけても親父は家にいろの一点張りだった。

仕方なく親父に従い、実家でだらだらしていた。


──華乃の顔を見た途端に変わった二人の態度。


てことは原因は華乃にあるのか?あいつが何をしたってんだよ。


何かあるのはわかっても、何があるのかはわからない。

それがどうしようもなく、俺をイライラさせていた。
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