離婚前提策略婚。【改訂版】

神田家の策略変更

「一体どういうつもりだ!!」

「も、申し訳ありません!!」


神田グループ本社社長室。

またこの部屋に似つかわしくない怒鳴り声が響いていた。


「俺の話を聞いていたか?!非の打ち所が全くない女と結婚させろと言ったんだ!」

「わかっています!わたしもそのつもりでいました!」


麻友は龍一に頭を下げながら答える。


「それならどうしてあの女なんだ!お前にはあの女がそう見えるのか?!」

「いえ、何分急いでおりましたので…。パーティーでお会いしたお嬢様は婚約中ということで、その妹様なら同じように素晴らしい方だと思い込み、確認もせず結婚させてしまいました…」

「確認もせず…!なんという愚かなことを…!見るからに欠点だらけじゃないか!あの娘に龍成を支えられると思うか?!」

「申し訳ありません!」


ひたすら頭を下げ続ける麻友。

イライラが収まらず歩き回る龍一。


「──お前の話は全て嘘か」

「いいえ!嘘は一つもございません!」

「仕事は真面目、それでいて遊びもせず、会社とマンション以外の外出は常にあの女と行動していると?」
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