離婚前提策略婚。【改訂版】

華乃の感情

「わたし、帰るね」


龍成と龍成の両親が帰ると、わたしとお父さん、お母さんの三人に。なんとなく会話がなく、微妙な空気が流れていた。


その空気は確実に龍成の両親が残していったもの。

居たたまれないわたしは、とりあえず家から出たかった。


「…そうか。家事などしっかりやっているんだろう?」

「当たり前でしょ。結婚したんだから」

「龍成さんと仲良くね」

「わかってるから。じゃあまたね」


そそくさと家を出る。

車に乗りエンジンをつけると、あてもなく車を走らせる。


マンションには龍成がいないと帰れない。でも今は連絡できない。まだ両親といるだろうから。


…わたし、なにか悪いことしたかな。

ていうかあの状況で考えられるのは、原因はわたし。それしかないよね。


なにか龍成の両親の気に障ること、した?まともな会話すらままならない、ていうかただ挨拶しただけだったはず。

言葉遣いを間違えた?それともわたしの考えられないような常識が、神田家にはあったとか……。


ああもう、わけわかんない。いくら考えたってわたしにはわからない。

いいや、きっと龍成が上手くフォローなりなんなりしてくれてるはず。龍成の親だもん。あとは知らないっ。
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