離婚前提策略婚。【改訂版】
──どうしてだろう。崇憲の時はこんな風に自分を変えようと思わなかった。

崇憲の為に綺麗になりたいとは思っても、実際何もしなかった。崇憲にお金を渡していたから、自分にお金をかけられなかったってのもあるけど。


「……ん?」


考え事をしながら試着をしていると携帯に着信が。


『神田龍成』の表示。


どうなったんだろう。胸が少しざわついた。


「──はい」

『今どこ?何してる?』

「駅の近くのショッピングモールで買い物」

『ちょうどいい。一階の西側の入り口にいろ。今行く』

「え、なに、どうなったの?仕事はいいの?」

『どうもしねぇから。今日は休みになった』

「どうもしないって、な…」


なんで切るのよ!ちゃんと説明しなさいよ!…ま、会った時でいいか。


試着を済ませ、一番気に入った服をそのまま着て購入。


鏡をもう一度見直しイメチェン具合いをチェック。


我ながらそれなりにイメチェンはできたと思う。でもどうだろう。龍成はまた馬鹿にするかな。気にも止めなかったりして。


それならそれでいいわ。別にあいつの為ってわけじゃないし、自分的には気分転換して満足だもの。
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