離婚前提策略婚。【改訂版】
荷物を手にし、待ち合わせ場所に向かう。

少しすると、


「誰かと待ち合わせ?俺とデートしない?」


と後ろから声が。


こんな所でナンパする人がいるの?他の所でやってよ。超迷惑極まりない。


可愛い子は大変だなぁ。

そういえば今更だけど男の人とこんな所で待ち合わせなんて初めてかも。

相手が龍成でも、何かちょっとドキドキしてきた。する必要なんて全くないのに。


「シカトですか~?俺イケメンだから、遊んだら絶対楽しいと思うけどな~」


は?自分でイケメンとかって、うざすぎ。絶対馬鹿でしょ。ていうかこんな他人の会話なんて聞きたくないのに、あいつが早く来ないせいで耳に入ってくるよ。あとどれくらいで来るわけ?


「……あ、そう。どうしてもシカトを続けるつもりですか」


そりゃずっとシカトしていたくもなるよ。あんたみたいな馬鹿男…


「──!」


突如後ろから抱きしめられる。

驚きの余り声も出ない。


な!なんで!誰!?痴漢?!


「声だけでわかれよ。それともわかってて旦那をシカトしてんのか?」

「!!りゅ、龍成?!」
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