離婚前提策略婚。【改訂版】
こんな男からでも、そんなことを言われると動揺してしまう自分が憎らしい。


「別に龍成に可愛いと思われる為にやったんじゃないから」
 
「いい感じの華乃ちゃんですが、一つ大事なことを忘れています」

「は?なにが?忘れてる?」

「ここからは俺が変える」

「え?全然意味わかんないんだけど」


龍成が何を言っているのか理解不能。元からだけど。


「じゃ、行きますよ」

「え。──って、なんで手を繋がないといけないの」


さりげなく流れでしたつもり?また夫婦ごっこ?


「せっかくのデートだから手ぐらい繋がないと」

「なんでだよいらないよ」

「まともなデート、初めてだな。奥さん」

「や、聞いてんの?絶対聞いてないよね」


こんな会話を続けながら龍成が向かった場所は、靴屋さんだった。


「…あ…」


そういえば靴はまだだったな。


「ぶっちゃけ今の華乃の服は好みじゃないけど、センスのいい俺様がその服にも合って、且つ俺好みの靴を探してやる」

「龍成好みの靴じゃなくていいんだけど。そしてその上から目線が超絶うざいんだけど」

「いいから黙って待ってろ。サイズは?」

「…L」

「了解」
< 185 / 461 >

この作品をシェア

pagetop