離婚前提策略婚。【改訂版】
からかったりふざけたりするかと思ったら、どうして何も言わないの?赤くなった顔、ばれてるはずなのに。


そのままどこかに向かい歩き出す龍成。手を繋いでいるからか、その後は安定して歩けた。


「あれっ?ていうかお会計は?」

「とっくにしてる」

「いつのまに?!」

「華乃に履かせる前に」

「え?!履かせる前?!それで似合わなかったりわたしが気にいらなかったらどうするのよ!サイズだって、物によっては合わなかったりするのに…」

「んなことありえない」

「なんで」

「俺が選んだから。サイズは調整できるだろ」

「調整って…」


まじでどこからその自信が出るわけ?信じられない。


…龍成って、本当にわたしと正反対。

自信満々で迷いがなくて羨むことを知らない。そういうところは、わたしもちょっと憧れてしまう。他は最低だけど。


半歩前を歩く龍成の斜め後ろから覗く横顔を盗み見ながら、わたしはそんなことを考えていた。


そして次に龍成が向かった場所はジュエリーショップだった。


「何を買うの?」

「指輪」  

「へー、龍成って指輪するんだ。なんか意外」


してるとこ見てないからかな。なんかイメージと合わない。


「結婚指輪くらいはな」

「あ、そっか。結婚指輪……え゛?!結婚指輪?!」
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