離婚前提策略婚。【改訂版】
────

────



今日は華乃が休みの日で、会社まで迎えに来てもらうことにしていた。軽く麻友ちゃんへの当て付けの気持ちもある。

俺と華乃の休みが合う日はない。というか俺に休みがほとんどない。監視が第一だけど、元より麻友ちゃんが休ませてくれねぇ。


俺が休みの日は華乃をバイト先まで送迎。あいつの高所恐怖症も本当に面倒だ。あとは大概マンションで寝ている。

仕事や自分の計画で頭や体力を使っているせいか、時間ができても疲れていて女と遊ぼうなどと考えなくなっていた。


…でも最近溜まってんだよな。ストレスだけじゃなく。

かと言って華乃をどうしようだなんて思わねぇけど。


──つーか、いつになったら来るんだよ。相変わらずルーズなやつだな、あの女。


「あの、すみません」

「……」

「す、すみません！」

「…あ、俺？」

「はいっ！」


左下から声がして顔を向けると、スーツを着た女が俺を見ていた。
< 200 / 461 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop