離婚前提策略婚。【改訂版】
「なに?」


今時の緩いカールがかかったロングヘア。

でもギャルじゃなく、顔は可愛い系なのになんとなく色気がある、男受け抜群の女。

少し顔を紅潮させて、緊張しているのか俺が見つめると伏し目がちになる。


今までの経験からだと確実に逆ナンパターンだ。


「も、もしかして、神田龍成さんですか?」

「…そうだけど」

「わ!わたし、経理課の須藤真奈美と申します!先日龍成さんが経理課にご挨拶にいらっしゃってから、あ、憧れてしまって…。社内報を見て正式な入社を知ってすごく嬉しくて、少しだけでもお話できたらなとずっと思っていたんです」


は。

逆ナンではないか。

てか社内報?そうか、もうとっくに出てるよな。てことは入籍も知ってるってことか。

麻友ちゃん、なんで教えねぇんだよ。


「…あ、あの…」

「ん?ああ、ごめん。ありがとう。嬉しいよ」


え~っと、俺に憧れてるんだっけ?

可愛いじゃねぇか。同い年か少し下ってとこか。


「うわ…!本当に素敵な方ですね!差し出がましいですが、またお会いできたらお声掛けしてもよろしいでしょうか?」

「いつでもどうぞ」
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