離婚前提策略婚。【改訂版】
…今まで謙虚だったわりには行動力があるんだな。リアルに立場を考えたら絶対言えねぇだろ。

肝が据わってると言うか、意外と強かと言うか。


「ありがとう、嬉しいよ」


俺の言葉に真奈美ちゃんは顔を上げる。

そんな色っぽい目で見んなよ。犯すぞこら。

この涙目の上目遣いにも男は弱い。そのまま押し倒してしまいそうになる。


─って、会社なんだっての。


「龍成さん…。わたしを受け入れてもらえますか?」


《わたしを愛人にしてもらえますか?》


ここまできたらはっきり言えばいいのに。


「真奈美ちゃん、本当に俺が好きなの?」

「はいっ!わたし、龍成さんの為ならなんでもできます!だからそばにいさせてください!」

「それはできない」

「─え?」

「俺を好きでいてくれるのは一向に構わないよ。でも君をそばにおくことはできない」

「どうしてですか?!わたし、龍成さんが好きでたまらなくて…!わたしを好きじゃなくてもいい!傷ついてもいい!お願いします!わたしを受け入れてください!」


その勢いのまま、真奈美ちゃんの顔が近づいてくる。
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