離婚前提策略婚。【改訂版】
さて、一から全て吐いてもらおうか。


「盛り上がってるとこ悪いけど、ここはそんなことする場所じゃないんですが」

「「──!!」」


俺の声に驚き、二人は瞬時に体を離す。


今さら離れたところで、真奈美ちゃんのスーツはだけてんだけど。


「──っ、こ、神田さん…!」

「龍成さん…!」


俺を見て硬直する二人。
 

「邪魔して悪いな。でも俺そういう趣味ないからさ、ずっと見てても楽しくないし」

「ず、ずっとって…」

「いつから…?」


二人の驚愕と恐怖が入り混じったような表情に吹き出しそうになる。

この場面で笑えるなんて、やっぱ俺根性曲がってんな。


「いつから?最初から?」


だよな、多分。


「「──!!!」」

「ぶっ!」


顔を見合わせ青ざめる二人に、結局吹き出す俺。


仕方ねぇだろ、面白いんだから。


「こ、神田さん、これは…」

「あ~、余計な言い訳とかいらないから。いくら馬鹿息子でも暇じゃないんで」

「──!」
< 229 / 461 >

この作品をシェア

pagetop