離婚前提策略婚。【改訂版】

龍成の戸惑い

「それで個別の仕事というのが、龍成さんとのスキャンダル写真を撮るということだったんです」


専務が俺のスキャンダル写真を？外部の人間を仕掛けてまで？

専務は何がしたいんだ？俺のスキャンダル写真を手にしたところで何なんだよ。


……ああ、親父の顔を潰したいのか。


真奈美ちゃんはそれ以上詳しくは知らなそうだな。


つーかあの時抑えてマジで良かったわ。そのままキスをしてホテルになんて行ってたら、専務の思うつぼだった。

華乃の顔が浮かばなかったらきっとしてた。なんせ溜まってたからな。華乃、よくやった。


──いや、俺がよく抑えたんだよ。


やっぱ女は怖ぇわ。


「えーっと…。そっちの、孝志だっけ？」

「…なんすか」

「うわ、態度わりぃな」

「当たり前です。俺の女の体見たんですから」


は？それなら自分で止めろっつーの。こいつとことん頭わりぃな。

終わったことにグダグダ言いやがって、この状況で反抗的になってどうするんだよ。


彼女を脱がせたってことは会社に残りたいんじゃねぇのか？今になって真奈美ちゃんの機嫌をとろうとでもしてんのかよ。
< 238 / 461 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop