離婚前提策略婚。【改訂版】
店の入り口の横側に行き携帯を取り出す。


『──はい』

「あ、悠香?」

『龍成!ひさしぶりっ!どうしたの?!めっちゃ嬉しいんだけど!』

「元気にしてるかなと思って」

『龍成に会えなくなってから元気になんてなれないよー。会いたいー』

「俺も会いたいんだけどさ、仕事で忙しいんだよ」

『えっ、働いてるの?龍成が?』

「まぁ、軽くな」

『えーっ!意外!またわたしのヒモになればいいじゃん!いくらでも養ってあげるよ!』

「いや、そういうつもりはねぇんだけど。あの時はありがとな。んでお前の客でどっかの会社の専務いるよな?」

『専務?何人かいるけど、それがどうかしたの?』  

「千葉っているか?」

『千葉?いるよ。昨日も来てた。その人がどうしたの?』


昨日もかよ。専務の野郎、本気で悠香入り込んでるのか?


「ちょっとな。その千葉専務と仕事の話なんてするか?」

『仕事の話?あんましないかなぁ。あたしバカだから仕事の話されてもわかんないんだよね』


…だろうな。
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