離婚前提策略婚。【改訂版】
「なんでもいい、仕事関係の話されてないか?」

『え~?いきなり言われてもなぁ。……ん~……。──あ、前に一度キレられた時に、会社の金を使ってまでお前に貢いでいるのに、どうしてわたしだけのものにならないんだって言われた!』


──!!


『…龍成?』

「それ、本当か?」

『本当だよ!超怖かったんだから!』


──あいつ、横領してやがんのかよ。


しかも女に、それも店のナンバーワンに貢ぐくらいだから結構な額のはず。


──となれば、調べれば証拠は必ず出てくる。


「わかった。さんきゅ」

『えっ!それだけ?!』

「ああ、悠香の声聞いたら元気出たよ」

『…ほんとに?違う女のヒモになってたりしないよね?』

「しないしない。今度会いに行くから」

『絶対だよ!約束ね!あとあたし夜あがろうと思ってるの。昼の仕事でいいの見つけたんだ』

「マジで?良かったな」

『でもお金はあるからいつでもあたしを頼ってね!』

「頼もしいな。じゃあまたな」


電話を切りふと横を向くと、華乃が俺を見つめていた。
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