離婚前提策略婚。【改訂版】

華乃と莉乃

「ちょっと久しぶりだね。元気にしてた?」

「もちろん。お姉ちゃんは?」

「あたしも。でも華乃ちゃんがいなくなってから、皆寂しがってるよ」

「そんなわけないじゃん。元から家にはあまりいなかったし」


今日はバイトが休みの日。久しぶりに実家に帰るとお姉ちゃんしかいなかった。

お姉ちゃんに用があったわたしには好都合。お母さんがいたら変に騒ぎそうだもの。


「本当だよ。それにしても急に料理教えてだなんてどうしたの?」


──そう、わたしはお姉ちゃんに料理を習う為に実家に来た。


お母さんに知られたらきっと怒られる。そんなことも出来ないで毎日どうしてるの!って…。


「お姉ちゃんすごく上手だから、わたしも練習して彼に作ってあげたくて」

「仲良しなんだね。うまくいってるみたいで安心だな」


我ながら定番すぎて笑える。

龍成を幸せにしたいと思い、一番初めに浮かんだのが料理だなんて。
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