離婚前提策略婚。【改訂版】
「華乃、龍成さんと喧嘩したりしてないか?」

「ん、してないよ」

「そうか。毎日帰りは遅いのか?」


う、質問責めになりそうな感じ…。そろそろ退散しようかな。


「そうそう、これから迎えに行かなきゃ。じゃ、また来るね」


そそくさと玄関へ逃げる。


「えっ、華乃姉もう行くの?!」


リビングから來乃が叫んだ。


「またね、來乃」

「今度遊びに行くから!」

「いいから来なくて!」

「気をつけなさいね!」

「龍成さんによろしくね!」

「はーい」


するとお姉ちゃんが玄関まで見送りに来てくれた。


「華乃ちゃん、今度ゆっくり話聞いて」


小さく話すその雰囲気から、相当思い悩んでいると伝わってくる。


「今度もなにも相談ならいくらでものるから!だから早まっちゃだめだよ!」

「…うん…」

「そんな無理な笑顔やめてよ。お姉ちゃんに似合わない」


見てる方が辛くなるよ。


「…ありがとね。気をつけて」

「うん。じゃ、またね!」


お姉ちゃんのことが気になりつつも、わたしは家を出た。
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