離婚前提策略婚。【改訂版】
「なんでいきなり作る気になったんだよ」

「え?…気が向いたから。てか食べなくていいって!」


顔、真っ赤なんですけど。

そんなに俺が好きなのか。少しは可愛いとこあるじゃねぇか。──結構気分いいな。


「お腹空いてるから、何でも美味く感じる」

「はあ?!お腹空いてなんていないでしょ!」

「うるせぇな。俺の勝手だ。風呂でも入ってろ」

「なにそれ…」


腹なんて減っているわけがない。でも、なぜか食えちまう。

たいして美味くもないのに、あの殺人料理を作った華乃がここまで成長できたのかと感動すら覚える。


そして呆れながらもはにかむ華乃を見て、不覚にも俺はほんの少しの幸せを感じてしまった。




─────



さすがに二人分は食べきれず、残りは明日の弁当にすることにした。

二人ともシャワーを浴びて、寝る体制に。

ベッドに横になり、明日から毎日親父がいることに不満をもちながら眠りにつこうとすると、珍しく華乃が話しかけてきた。


普段なら即行で寝るくせに。
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