離婚前提策略婚。【改訂版】
「あはは!めちゃくちゃ面白いよ!なんで涙流れてるのにそのままなの?もしかして気づいてない?──っか、可愛いっ」

「は?お姉ちゃん、何言ってるの?」


気づいてないわけないでしょうが!


「ごめんね、わたしが泣かせたんだよね。わかってるんだけど余りに可愛すぎて、ふふ」

「何がそんな面白いかわかんないけど、お姉ちゃんこそ笑いすぎて涙出てるじゃん」

「だって面白くて。泣きながら笑うなんてピエロみたいで可愛かったんだもん」


そ、そんなことでここまで笑っていただけるなら本望だわ。


「面白くて可愛いの意味がよくわからないんだけど」


するとお姉ちゃんは笑って零れた涙を指で軽く拭い、一息ついた。


「…ありがとね、華乃ちゃん。あたしにとって華乃ちゃんはいてくれるだけで癒やしなの。だから何もできないなんて言わないで。今だって華乃ちゃんのお陰で気分が軽いもの。華乃ちゃんが来る前と今じゃ全然違うんだから」


──いるだけで癒やし?わたしが?お姉ちゃんの?

いくらなんでもそれはないって。
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