離婚前提策略婚。【改訂版】
「そりゃそうだろうな。姉妹でここまで違うっつーのもあんまねぇだろ」

「でも辛そうにしてる華乃ちゃんを見るとあたしだって辛かった。あたしも華乃ちゃんも悪いことをしたわけじゃないのに、見た目だけで判断される。あたしだってこの見た目だけで妬まれたり僻みの対象にされて、好きでこの容姿で生まれたんじゃないのにってずっと思ってきた」

「…ま、あんたの容姿じゃ自然とそっちの対象になるだろうな」

「こんなに嫌な思いをしてまで何の為に生きてるんだろうって悩み続けてた。そんな時に華乃ちゃんがいじめられているところを見たの。許せなくて無我夢中で助けたわ。そうしたらあの子、泣きながら『お姉ちゃんありがとう、大好き』って言ってくれたの。それがあの頃のあたしにはどうしようもなく嬉しくて、華乃ちゃんを守ることがあたしの生きる意味になっていったのよ」


わかるようなわからねぇような。

たったそれだけで『生きる意味』になんてなるもんなのか?それも昔の話だろ?


「大人になってからは華乃ちゃんの幸せを願うだけになっていたけど、華乃ちゃんがあたしの生きる意味なのは変わらない。だから早く離婚して。あの子の幸せのチャンスを奪わないで!」
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