離婚前提策略婚。【改訂版】
「お金に困ってるのが一番?それとも男にフラれてヤケクソになってるとか……」


いい加減にして。


わたしはグラスのお酒を一気に飲み干した。


「さっきから何言ってんの?!わたしはあんたの母親にいきなり結婚迫られたんだよ!わたしだって結婚なんかしたくないわ!それを勝手に決められてふざけんなって断りにきたの!わたしはお金目当てでも男にフラれたんでもない!あんたみたいなやつと結婚なんて絶対イヤ!!」


……ああ……やっちゃった。


お父さん、ごめん。


「……」


龍成さんは、わたしを見て驚いた顔をしていた。


いきなり叫ばれたら当たり前か。

…と思ったら。


「あんたさ、男にまともに相手にされたことないだろ」

「……は?」


な、なにこの人。今までの軽い雰囲気と違う。急に真剣な表情。というか、なんか怒ってる?怖いんですけど。


「男に免疫ないからだろ、俺にキレるなんて。普通の子はまず俺に会ってすぐキレたりしない。特に自分に自信がない子はな。俺がいい男だから」

「……な、何言ってるの?」


自分で自分をいい男だなんて、頭おかしいんじゃないの?
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