離婚前提策略婚。【改訂版】
どれだけ役立たずなのわたし。最低…。


「そんなことないけど…。とりあえず休憩室で休んでて。ちゃんと冷やしておくんだよ」

「ありがとうございます。落ち着いたらホールに出ますね」

「いいから休んでな!」

「─はい…」


溜め息をつきながら休憩室に戻る。

ボールに入った氷水に右手を浸しながら自己嫌悪に陥る。


何してんのよ…。鈍くさいのにも限度があるって。店長の厚意を仇で返したみたい。


実際、痛いのは事実だった。


氷水に浸していても奥からの痛みが止まらなくて、病院に行く程ではないと思っても仕事が出来る状態じゃない。


──やっぱりいても邪魔になるだけだな。


携帯を取り出し、健太に電話をかける。


『華乃さん、お疲れ様です!どうしたんですか?』

「お疲れ様。健太、あとどれくらいで来れる?」

『あと一時間位ですね!』

「あのね、わたしちょっとドジ踏んで火傷しちゃったんだ。悪いんだけど早退したいから早く来れないかな。店長と有希ちゃんだけになっちゃうから」

『えっ!火傷って大丈夫ですか?!』

「大丈夫大丈夫!」
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