離婚前提策略婚。【改訂版】
「怪我したって大丈夫か?!」


勢いよくドアが開いたと思ったら、もの凄く緊迫した勢いで龍成が入ってきた。


「なんで?てか仕事は?」


この状況、意味不明。


「どこ怪我したんだよ!」


わたしの両肩を掴み、怪我の場所を必死で探す龍成。


「…見てわかんない?」


右手を見ろよ、右手を。


「…なんだ、火傷かよ」


ようやく気づき、表情が柔らかくなる。


「なんだってなによ」


この人、意外に抜けてる?

そんな探すことないでしょ。こんなにあからさまに右手が不自由なんだから。


「店長から電話がきて、華乃が怪我したから迎えに来いって言うからすげー焦った」


下を向いて安堵の溜め息をつく龍成。


もしかして本気で心配して来たの?な、なんか普通に嬉しいんですけど。ていうか店長、いつの間に電話してたの。


「それにしても早くない?火傷したのついさっきなんだけど。仕事は?」

「休んでいいって言われてマンションにいたけど、暇だから出掛けようとしたらちょうど電話がきたんだよ。つーか火傷かよ。しかも指先って。無駄な心配だったな」
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