離婚前提策略婚。【改訂版】
「俺のことが好きじゃなくても普通は受け流す。あんたみたいに自分に自信がない女は、気のないふりをして脈ありだと思ったら付け込んでくる。でもその上さらに男に相手にされたことがない女は、俺に敵対心を向ける」


な、なんだ?なにを力説してるの?


「俺のことを知って好きになるのを恐れるから。自分が傷つかないようにするための自己防衛ってやつ?好きになってもどうせ相手にされないって、傷つくだけだって思って、初めから嫌おうとする」

「ね、ねえ、さっきからなんなの?わけわかんないんだけど」


すると龍成さんはテーブルに肘をつき、前のめりになってわたしに顔を近づける。


「安心しろよ。俺もあんたみたいな女、嫌いだから」


……。


「話してても思うけど、見た感じでわかる。自分に自信がないというか、自分のことが好きじゃないって。今まで生きてきて男に相手にされませんでしたって、顔に書いてある」
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