離婚前提策略婚。【改訂版】
「あほか。ソープ嬢に貢がれたことはあるけど行ったことはねぇよ。必要ねぇしな」


良かった…って、なんで安心してんのわたし。


「貢いでもらってたくせに何を偉そうに。ほんと見境ないんだね」

「勝手にだよ。俺は頼んでない。つーか俺にはソープ嬢は無理だな。デリもセクキャバも。だから何があっても華乃ちゃんは風俗で働いたらだめですよ」

「だからの意味がわからん」

「離婚した後でもなんかあったら俺が助けてやるから、変なことは考えるなよ」


──離婚した後も、場合によっては会えるのかな?


…って馬鹿な考えはやめなきゃ。


「それでは始めます」


シャワーを出しわたしの髪にゆっくりお湯をかける龍成。


「優しくしてよ」

「俺は常に優しいだろ」

「そうだっけ?」

「こんな優しい旦那で幸せですね、奥様」

「そうでございますわね、旦那様」


ふざけながらも龍成は丁寧にわたしの髪を洗っていく。
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