離婚前提策略婚。【改訂版】
─聞こう。


「…やっぱり男は嘘つくんだね」

「……」

「シカトするつもり?」

「…起きてたのかよ。寝言かと思った」

「はあ?こんなはっきりした寝言なんてあるか!」

「華乃ちゃん、いつも言ってますよ。『龍成、あいしてる』って」


ううう嘘!!!ままままさか!!!


思わず飛び起きる。


「なっ、そんなわけないでしょ!そんな心にも無いこと!言わない!」

「ぶっ、真に受けてやんの」


─うわ!やられた!わたしの馬鹿!


「──っ、じょ、冗談はやめて!ねぇ、さっきお母さんが来てたんでしょ?!」

「だからー、テレビだって」


…どうしても言いたくないわけ?


「…嘘つき。あんたなんか嫌いだ」

「え~?それ、二十歳越えた女が言う台詞?」

「他の二十歳越えた女の人が言う台詞がわからん」

「俺ってそんな信用ない?」

「信用がどうのじゃない!バレバレの嘘なんかやめて!」

「嘘だって信じ続ければ本当になるかも」


…もう、我慢できない。
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