離婚前提策略婚。【改訂版】
「そーゆう問題じゃなくて」

「ほら、コンビニ!」


…こいつ、テンション高いとほんと話聞かねぇな。


華乃の指示に合わせ車を走らせる。

たまに休憩を入れ、二人のペースで進んでいく。その時間に幸せを感じながら、俺はある想いを抱いていた。


「ここまで来るとさすがに俺も未開の地だわ」


一応標識はチェックしてるけど。


「あっ、ほんとに?わたしも」

「もうすぐ日も暮れそうだし、引き返した方が良くね?かなりの距離だぞ。帰ったら何時になるんだか」


つっても、結局これと言った場所には行ってねぇんだよな。


「行きと違って帰りは早く着くじゃん。もう少し」

「これでも結構疲れてんだけど」

「あっ!ちょっと!そこ左!」

「左?…お」


左に曲がりゆっくりとした下り坂を下って行くと、そこには夕陽に照らされた海が一面に広がっていた。


「わーい!やったー!」

「やっぱ海じゃねぇか」

「いいでしょ!二人とも来たことがない所の海なんだから!」

「良かったですね~」
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