離婚前提策略婚。【改訂版】
階段状になっている部分に座り込み頬杖をつくと、華乃はすでに海水に手を伸ばしているところだった。


どんだけはしゃいでんだよ。初めて海に来たみてぇだな。


サングラス越しに見える、夕陽に照らされた海と華乃。思わず笑みがこぼれたその時──。


「あの~。すみません、ちょっといいですか?」

「…え?」


目の前にはギャルが三人、俺を囲うように立っている。

俺より若そうだ。いい脚してんな。つーか他にも人がいたのか。


「あたし達とビーチバレーしませんか?」

「ビーチバレー?」


おいおい、俺の格好はどう考えてもビーチバレー向きじゃないだろ。砂浜にも行きたくねぇのに。


「三人だから人数が合わなくて楽しめなくて。ぜひ一緒に!」

「それなら三人で楽しめることをしたらどうですか?」


三人でビーチバレーをすることに疑問を感じますが。


「そんな冷たいこと言わないで下さいよ~!」


冷たいも何も正論だろうが。…ってか、これナンパか?だとしたらまともに受け答えてる俺もなんか馬鹿っぽいな。


「だったらビーチバレーじゃなくても何でもいいです!お兄さん、一緒に遊びましょ♪」
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