離婚前提策略婚。【改訂版】
さり気なく一人が隣にしゃがみ、俺の腕を掴む。

最近の若い子は積極的ですね。


「悪いけど俺…」

「あっ、優子ずるいっ!」


もう一人が慌てながら反対側に座る。


「うわ、二人共なんなの!お兄さん、あたしを選んで!」


最後の一人が俺に向かって手を伸ばす。


…なんだこの状況。

めんどくせぇな。どうすっかな。

……そういえば華乃、どこ行った?


三人が目の前にいたから見えなかった。二人がどけた為海の方を見るも、さっきまでいた華乃の姿がない。

立ち上がり周りを見渡してもそれらしき姿がない。

どこ行ったんだよ、あの馬鹿女。


「お兄さん、急にどうしたの?」

「離してくれる?俺、女と来てるんだよ」 

「女なんて他にいないじゃん!ていうかお兄さんをほっとく女より、あたし達と遊ぼうよ!」


ちっ、若さ故なんだろうがちょっとうざいわ。


「悪いけど俺、若い子ダメなんだよね。最近流行りの熟女好きってやつ?」

「うっそ!冗談でしょ?!」

「じゃあ熟女と海に来たってこと?!」

「あはは!お兄さんウケる!熟女だから海で迷子になったとか?!」
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