離婚前提策略婚。【改訂版】
「…帰るぞ」


数秒見つめ合った後、どうしようもできない感情をやっとの思いで抑えながら歩き出す。


駄目だ。今のは本気でやばかった。元より女の泣き顔には弱いんだよ。


火照る顔を右手で隠す。

もう俺の理性は限界まできていた。


日没直前、車に乗り帰路に着く。


「楽しめたか?」

「うん。虫さえこなけりゃ」

「虫に好かれる程いい女ってことだろ」

「嫌みな男だわ」

「嫌み?そんなつもりなかったんですけど。嫌みな男じゃなくて俺はいい男だろ?」

「ギャルに好かれたからっていい気になるな。熟女好き」

「そうそう、あの色気がたまんねぇんだよな。っておい」

「龍成さん本当に熟女がお好きだったんですね。知りませんでしたわ」

「華乃ちゃん?熟女が好きか聞かれたら嫌いなわけでもないけど、特別好きってわけじゃ」

「もういい!熟女について語るな!疲れた!寝る!」

「あっ!こら!」

「おやすみ!」


シートを倒し、華乃は目を閉じた。
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