離婚前提策略婚。【改訂版】
一息ついて部屋にある鏡を覗くと


「──!!」


な、なにこれ…!これじゃ龍成に会えないじゃない…!


あまりのひどさに絶句する。


顔は浮腫み全開。目は真っ赤、瞼は腫れすぎて半分も開いていない。

ずっと泣いていて熱をもっていたから、ここまでひどくなっているなんてわからなかった。


どうしようどうしよう…!

龍成に会う時間までに何とかしなきゃ…!


無駄に部屋をうろうろしていい方法がないか考えても、軽くパニック状態で何も浮かばない。


んもう、最悪ドタキャンするしか…!


「華乃ちゃん?起きてる?」


お姉ちゃん…!

お姉ちゃんならどうにかしてくれるかな…。でもこの顔はいくらなんでも……ていうかお姉ちゃんにさえ見せたくないわ。


「華乃ちゃん?」

「ど、どうしたの?」

「ちょっと話があるんだけどいい?」


話?今じゃなきゃだめなのかな…。


「急ぎ?」

「出来たら今話したいの。あたし後でお母さんと出掛けるから」


…仕方ない…。
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