離婚前提策略婚。【改訂版】
ゆっくりとドアを開ける。


「ごめんね、あたしの都合で…」


お姉ちゃんはわたしの顔を見た瞬間、言葉を失った。


「お姉ちゃん、助けて」

「かっ、華乃ちゃん!どうしたの?!」

「とりあえず入って」


お姉ちゃんを部屋に入れドアを閉める。

なんかわたしの声、かすれてる気がする。


「來乃から喧嘩したって聞いたけど、華乃ちゃんがこんなになるなんて…」


來乃のやつ、皆に言ったんだ。まぁいいや。わたしが言う手間が省けた。


「お姉ちゃんどうしよう。わたし午後に人と会う約束してるんだけど、何かいい方法ないかな?!」

「え?!…う~ん…。とりあえず顔を洗って、タオルで冷やして浮腫みをとったらどうかな?」


そ、そうか、顔を洗わねば!


「やってみる!─あ、それで話って?」


するとお姉ちゃんは急に深刻そうな表情になる。一体何の話なんだろう。


「…華乃ちゃん。離婚の話、どうなった?」

「──!」


突然の予想外も予想外のお姉ちゃんの言葉に、思わず固まってしまった。


なんでお姉ちゃんが知って…。
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