離婚前提策略婚。【改訂版】
「お姉ちゃん…」

「だけどちゃんと言わないと伝わらないよ。このままじゃ離婚しちゃうんでしょ?」

「…言ったところで離婚するのは変わらないよ。龍成がわたしに気持ちがないのは一緒にいてわかるもの」

「そんなことないと思うよ!あたしこの間会った時、龍成さんから華乃ちゃんへの愛情をなんとなく感じた!」

「…え?」


なに、それ…。


「龍成さん、華乃ちゃんのお陰で人に優しく出来そうって言ってた。それに華乃ちゃんは幸せになるべきだって」

「…それは愛情じゃなく同情だよ。大体、龍成に愛情があったら自分から離婚届にサインなんかしないって」


でも嬉しい。龍成、そんなことをお姉ちゃんに言ったんだ。

だけど後半はちょっとショックだな。そんなこと言うくらいなら、龍成がわたしを幸せにしてよ。

わたしを幸せに出来るのは龍成なんだから…。


「離婚せざるを得ない状況だったのかもしれないよ?華乃ちゃんと一緒で、立場的に本音を言えなかったのかも」
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