離婚前提策略婚。【改訂版】
「関係もくそもねぇよ。ちょっと悪いことしたから罪滅ぼし。悠香がちょうど夜辞めてくれて助かったよ。つーか昼職って何やってんだよ」

「モデルだよ。雑誌の読モとかネット通販とかの。たまにキャンギャルもやるよ。夜に比べたら全っ然給料よくないけど楽しいんだ」

「良かったな。やりたいことが見つかって。そういえば今さらだけど男は?」

「なにそれ、今さらすぎ。いないよ。だから龍成を部屋に入れたんでしょ。いたら入れないもん」

「だよな」

「龍成がいなくなってから色々出会いはあったけど、やっぱり龍成ほどいい男はどこにもいない。ずっと忘れられなかった。好き…」


悠香に押し倒される。


──これが普通だった。これでいいと思っていた。


余計なことなど考えず、流れのままその時を生きる。

ただ楽に、楽しく、気持ち良く。

なんて単純で、なんて簡単で、なんて馬鹿馬鹿しい時間。
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