離婚前提策略婚。【改訂版】
ひかりに言われた通り、店の外にあったベンチに座る。

ひかりが電話をしている間、火照った頬をかすめる夜風の気持ちよさに、わたしのテンションは更に上がっていった。


「華乃、お待たせ!」

「ひかり~、次どこ行く?」

「え?わたしは行かないよ!あんたここまで酔うとめんどくさいもん」

「え~ひどい~!もう一軒行こうよ~!」

「あんたは行ってきな。わたしは帰るから」
 
「一人で行けっての?冷たいな~」

「二人で一軒でも二軒でも行っておいでよ」

「二人?って誰とよ~。ひかり以外いないじゃん」
 
「今来るから」
 
「へ?誰が?」

「あんたにめちゃくちゃ会いたがってるやつ」

「えぇ?だれだれ?そんな人いるの?」
 
「もうすぐ来るから」

「来るって、ここに?」

「ここに」

「誰なの誰なのー?教えてよー!」

「っだー!あんたほんとめんどくさい!」

「華乃!ひかり!」

「あっ!やっと来た!」

「え?」
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