離婚前提策略婚。【改訂版】

龍成の憂い

「龍成さん、思いっきりナナの存在シカトしてたでしょ」

「あ、ごめんごめん」

「んもう。ひどいなぁ」

「それよりさ、いくら雨降ってきたからって、俺ホテルに入るつもりないんだけど」

「そんなこと言わないで入っちゃいましょうよ!もう受付けはすぐそこです!雨、止まなそうだし!」

「あのな、ホテルに入る気でこの通りを選んだんだろうけど、俺はそんな気ないから。君とのことはビジネス。それ以上でもそれ以下でもない」

「だから~、ナナとホテルに入ってくれたらあの店で働いてもいいですって」

「ナナちゃん?そんなこと言わずに働こうよ。キャバもやってみると楽しいから」

「じゃあ龍成さん、ナナと付き合ってくれる?それなら今日からでも働く~!」

「いや、おかしいだろ。俺はただのスカウト。会ったばかりの君と付き合えないっての」

「時間なんて関係ないじゃん!もしかしてさっきの人と付き合ってるとか?!でも男といたからそれはないか」
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