離婚前提策略婚。【改訂版】
「…もういいわ。俺帰るから」

「えっ!龍成さん、待って!」

「仕事だから働く気がない子といても意味ないんだよ」

「働く気はありますから!ナナ、龍成さんに一目惚れしたの!ナナを龍成さんの女にしてくれたら、いくらでも働きます!」

「…いいわ。もし本気で働く気になったら連絡して。じゃ」

「龍成さんっ!ていうか連絡先教えてよ!」


──だるい。


やっぱ夜は遊ぶもの。働くもんじゃない。


色恋が面倒でホストやメンパブ、黒服じゃなくスカウトで働くことにしたのに、結局色恋まがいのことをするはめになる。

しかも俺が入った店のスカウトのシステムは即金にならない。女が一ヶ月以上働いてようやく金になる。


…完璧間違えた。なにやってんだ俺。


ちっ。それもこれもあいつのせいだ。

あの鬼畜男──。


「俺の家に居座るならしっかり働け。じゃないと立ち入り禁止だ」

「奏(かなで)、幼なじみだろ。そんな冷たいこと言うな。金ならいくらでもあるくせに」
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