離婚前提策略婚。【改訂版】
あの家から自由になりたくてやってきたのに自ら戻るなんて、情けねぇどころの話じゃねぇよ。

大体、そんなことをしたら華乃に申し訳なさすぎて生きていけねぇ。偶然でも合わす顔がない。


「本命にふられたんだか知らねぇけど、お前の顔、相当ひどいもんだぞ。目も当てられねぇ」

「は?俺はいつでもイケメンだっての。身長はお前の方が高ぇけど俺だって180近くあるし、顔は完璧俺の勝ち…」

「馬鹿。自意識過剰も大概にしろ。お前のどこがイケメンだよ。鏡見てからものを言え」

「どこをどうしたってイケメンだろうが。男の嫉妬は見苦しいぞ」

「…馬鹿に塗る薬はないな。もうお前の相手は疲れたわ、寝る。お前も早く寝ろよ」

「おい、拗ねんなよ!奏!」


…そんなにひどい顔してんのか?俺。

少し気になり洗面所に向かう。


「…うわ。これはないわ」


鏡を見ると奏にああ言われるのも無理はない、本当にひどい顔をしていた。
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