離婚前提策略婚。【改訂版】
「…もしもそうならな」

「あなたに気持ちがないならそれはそれでいいの!でもはっきりさせてほしい!華乃ちゃんに気持ちがないとか他に相手がいるとか、しっかり伝えてほしいの!そうじゃなきゃずっとあなたを想い続けて、一生幸せになんてなれないわ!」


──ふざけんなよ。

お前の幸せの為の離婚でもあったのに、なんで自らその道を捨てるんだよ。


「…華乃の誕生日に偶然会った。その時あいつは男といたし、俺だって特に関係はないけど女といた。しかもそこはラブホ街。これを見たら自分には気持ちがないんだって、いくら華乃でもわかるだろ」

「…だからね。あの日から更に元気がないのは」

「──は?」


あの日から?


「それを見たから、あなたと会ったから、前より感情を表に出さなくなったわ、華乃ちゃん。もうただ生きてるって感じで…。それを見ていられなくてあなたのお母様に連絡したのよ」

「…どんだけだよ」


俺ら二人揃って重症とか笑えもしねぇ。ここまでの馬鹿は他にいねぇだろうな。
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