離婚前提策略婚。【改訂版】
「失礼しま~す!お待たせいたしました!針葉樹林でーす!」


店員が酒を持ってくる。


「失礼しました~」


ドアが閉まり、華乃に向かいグラスを差し出す。


「乾杯」


何にだよ。と自分で思いつつも一応乾杯しておく。二つのグラスがカチンと音を立てた。


「華乃、俺と同い年だっけ」

「え?おいくつなんですか?」

「俺今年25」
 
「あ、じゃあ一緒だ。わたしも今年25」


同い年のくせに垢抜けないところを見ると、こいつが今までどうやって生きてきたか少し気になった。


「なら敬語使うことない」

「はあ。」

「それでなんで結婚したいの?」

「え?」

「まだ若いだろ?会ったこともない男と結婚なんて、なんか理由でもあるのか?」

「理由なんて…」


ないとでも言う気かよ。
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