離婚前提策略婚。【改訂版】
「……なんでそんなことあんたに言われなきゃなんないの」


ここまで言われてその返しってことは図星かよ。思った通りの女だな。


「俺のこと嫌いそうだから気が合うなって思って。ま、俺は基本女の子って時点で好きだけど、俺のことが嫌いな子には優しくできない」


…少しずつ、麻友ちゃんの策略が見えてきた。


「華乃。まだ若いって言っても十代じゃないんだから、どんな嫌な人の前でも愛想はよくしないと。何も言えないってことは図星なんだろ?顔に出るようじゃ社会人失格だぞ」

「あ、あんたに言われたくない」


図星をさされてこの程度の言葉しか出ない。こいつは使えそうだ。


どうせまた週刊誌にでも俺が載ったんだろ。マスコミにとって俺はいいカモだからな。それで親父がキレて無理矢理な縁談を持ちかけた。とりあえず俺を所帯持ちにしたら身を固めるとでも思ったんだろ。


──そんなことをしたって無駄だって、思い知らせてやるよ。


悪いな麻友ちゃん。策略には策略で返させてもらうわ。

俺は会社や親父に縛られる気は一切ないからな。
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