離婚前提策略婚。【改訂版】
「んじゃ華乃も被害者か。大方予想はついたよ。俺の親が無理矢理悪いな」

「じゃあこの話はなかったと言うことで」

「結婚しよう」


唐突すぎたのか、華乃は俺を凝視したまま固まる。吹き出しそうになるのを必死に隠す俺。


「結婚しよう。今すぐに」

「はあ?今の流れでどうやってそうなるの?わたしたち、お互い嫌いあってるんでしょ?」

「だからだよ」


こいつの足りない頭じゃ説明しないとわかんねぇか。


「俺の親、俺が遊んでるのが気に入らないんだろ。だからいきなり結婚なんて言い出した。その相手がどうしてあんたかはわからねぇけど、俺的にはちょうどいい。麻友ちゃんが言った通りの子だったら結婚しなかった。でも、あんたとならできる」

「…どうして」

「欠点だらけだから」

「……なにそれ」

「完璧な女なら離婚する時に俺に非がある事になる。けれどあんたのような欠点だらけの女となら、いくらでも離婚の原因をあんた側にできる」


こんな不器用で使い勝手がある女、あんまいねぇよな。
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