離婚前提策略婚。【改訂版】
「じゃ、早めに引っ越すよ。手続きしといて。…あ、新婚の邪魔しに来るなよ?」

「そんな野暮なことしません!でも両家の顔合わせは?先にやることやらないと」


めんどくせぇな。あの女をもらいに行かなきゃならねぇのかよ。どうせ半年したら返すってのに。


「それ、親父も?」

「当たり前でしょ!そんなに急いでるなら結納も一緒に済ませましょ!」


や、急いでんのはそっちだろ。こっちは合わせてやってるだけだっつーの。


「親父、時間とれんの?今の時期忙しいだろ」

「それはそうだけど…あっ!ちょっと待って!」


麻友ちゃんがカレンダーに目を配る。


「やだ、明日から海外出張だわ。それも1ヶ月」


さすが。運も俺の手の内だ。親父がいなきゃどうとでもなる。


「そんな待てねぇよ。俺が一人で挨拶だけしに行くから。どうせ親父だって麻友ちゃんだって向こうの親と面識あるんだろ?」

「それはあるけど、あなた一人で挨拶なんてできる?わたしだけでも一緒に…」

「大丈夫だって。麻友ちゃんは心配しなくていい。もういい大人なんだから挨拶くらいできる」


余計なことを言われて計画を潰されたくないんだよ。
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