離婚前提策略婚。【改訂版】
「当たり前でしょ。一目惚れしちゃったの。彼氏もいないし、結婚できるなんて嬉しいわ」

「そ…そうか。良かったな。おめでとう」


ようやくお姉ちゃん以外のみんなが笑顔になる。

…ていうかお姉ちゃん、なんでそんな不満そうな顔なの?珍しい。


皆がおめでとうとお祝いムードの中、一人まだ何も言葉を発しないお姉ちゃんに声をかける。


「お姉ちゃんは祝ってくれないの?」


するとようやくお姉ちゃんの表情が動く。


「華乃ちゃん、嘘じゃないよね?本当に幸せな結婚なんだよね?」


──やめてよ。


わたしの嘘なんて全てお見通しとでも言っているような目。なんの曇りもないその目に見つめられると、まるで裁判官の前の罪人の気分。


「だからそうだって。見た目はチャラいけど、中身はすごくしっかりした人なの。彼となら幸せになれるって確信したよ」
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