離婚前提策略婚。【改訂版】
口からでまかせもいいとこ。お姉ちゃんに嘘をつくのはかなりしんどい。


数秒見つめ合うと、お姉ちゃんも納得してくれたのか微笑んでくれた。


「良かった。おめでとう。幸せになってね」

「ありがとう」


──どうして心が痛むの。

皆の為に結婚するのに。今欺いているのは皆の笑顔の為なのに。


半年したら離婚することを考えると、なぜか無性に心が痛い。


皆がこんなに祝福してくれるから?わたしの結婚を喜んでくれるから?

離婚したら悲しむのかな。それでも、わたしが結婚しない方が皆にとって不幸せでしょ?


わたしのしていることは、間違いじゃないよね?


「なんだか社長と親戚になるって変な感じね」


お父さんもお母さんも複雑そう。確かにそうだよね。社長がわたしの義理のお父さんになるって変な感じ…。


「結納の話とかは出てるのか?」

「あ。わたし達、結婚式は挙げないから」


半年したらどうせ離婚するもんね。


「えっどうして?!」

「社長のご子息となら盛大にやるんじゃないのか?」

「お互いやりたくないって話したの。わたし人前に出るの苦手だし」


本当はしたかったよ。

好きな人となら。
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