離婚前提策略婚。【改訂版】
…なんだこの会話。まるで親父と麻友ちゃんが邪魔みたいに聞こえる。

しかも人相的に悪役面。なんか企んでるのか?


と思っているうちにエレベーターが止まり、俺以外のおっさん達全員が降りていく。


「社長がいない今がチャンスだもんな」


最後に出て行った唯一若めのやつが小さく呟いた。


すげー意味深な言葉を残して行ったな。

俺の存在がまるでないようだった。


あいつら全員でなにかを企んでる。確実に。


……って、俺にはどうでもいい話。


社長室のある階に着きエレベーターを降りる。


「お客様、こちらの階は社長室のみとなっております」


ん?この女、秘書か?前と違うやつだな。あ、あいつは親父の出張について行ったのか。


「だから来たんだけど」

「失礼ながらどういったご用件でしょうか。アポイントはお取りですか?」

「アポイントもなにも、俺息子だから。麻友ちゃんいるだろ?」

「社長のご子息…。申し訳ありません、只今確認いたします」

「あ~もういいよ。麻友ちゃんに電話するから」
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