離婚前提策略婚。【改訂版】

華乃のマリッジブルー

「ありがとうございました」


学生の頃から始めて四年目になるカフェでのバイト。

夜遅くまで営業している為、仕事を終えるのが12時をまわる時もある。


今日は比較的早く終わった。でも家に帰る気にはなれず店を出て車に乗り、エンジンをつけずに携帯を見ていた。


…あいつ、本当に挨拶に来たらしい。お母さんからメッセージが入っていた。


【龍成さん、すごく素敵ね!あんたにぞっこんだよ!】


──何を話したか知らないけど、帰って皆とあいつの話になるのが嫌だ。


わたしは崇憲に電話をかけた。


『──はい』

「あ、崇憲?今から…」

『崇憲~、もっと飲もうよ~』


…また女と飲んでるのか。


『いや、もういいわ。帰る』

『なんで~?あたしをお持ち帰りする約束は~?』


…そういう話は電話を切ってからしてよ…。
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