裏切りの真紅~戦乙女と紅番外編~
槍を片手に、俺は向き直る。
小国を眼下に臨む、小高い丘。
ここを待機場所に選んだのも作戦のうちだ。
ここならば俺の足ならすぐだ。
乙女に加勢できる。
「紅様…?」
ざわめき始める大国軍精鋭部隊総勢百五十。
剣、槍、弓、戦斧…。
様々な得物を持つ戦闘の玄人達が、しかし俺の行動には困惑していた。
新任の指揮官だ。
すぐに馴染まぬのも無理はなかろう。
戦直前に得物を持ち替えるという突飛な行動にも面食らった事だろう。
だがそれでもまだ許容範囲には違いない。
が。
「大国軍精鋭部隊指揮官として最後の命令だ」
不敵な笑みのまま、俺は言った。
「全軍、ここで散れ」
小国を眼下に臨む、小高い丘。
ここを待機場所に選んだのも作戦のうちだ。
ここならば俺の足ならすぐだ。
乙女に加勢できる。
「紅様…?」
ざわめき始める大国軍精鋭部隊総勢百五十。
剣、槍、弓、戦斧…。
様々な得物を持つ戦闘の玄人達が、しかし俺の行動には困惑していた。
新任の指揮官だ。
すぐに馴染まぬのも無理はなかろう。
戦直前に得物を持ち替えるという突飛な行動にも面食らった事だろう。
だがそれでもまだ許容範囲には違いない。
が。
「大国軍精鋭部隊指揮官として最後の命令だ」
不敵な笑みのまま、俺は言った。
「全軍、ここで散れ」