裏切りの真紅~戦乙女と紅番外編~
倒れた兵士の腹に。

「ぎゃあっ!」

槍を突き立てる。

「………!!」

その無惨な死に様に精鋭兵達が一瞬身を固くした。

…俺は敢えて嗤う。

「俺の外套を次に紅く染めるのは誰だ…?」

勿論、そんな趣味はない。

だがこれも戦略だった。

俺を畏怖すればいい。

恐怖に身を縮こまらせ、緊張に力を半減させればいい。

先程の一合で切断された兵士の腕が地面に転がっている。

それを、兵士達に蹴り飛ばす。

「うわわわっ!?」

脅えたようにそれを避ける兵士達。

そこへ畳み掛けるように槍の払い!

完全に及び腰だった兵士達にそれをかわす術はない。

たやすく数人が槍の錆となった。

その時。

「う…うわぁぁあぁぁあぁっ!」

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