【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
出会ったその日に
普通ってなんだろう。
学校の帰り道を歩いていると、毎日いつも通りすぎて
ふとそんな事を思ってしまう。
私、加島朝日(かしま・あさひ)は
後先なにも考えないそこら辺によくいる女子高生。
毎日楽しいこと起きないかなーなんて。
そこらへんの道に散らばっている石ころを蹴っては
我ながらつまんない人生へと向かってると思う...
思ってたんだけど
「...えっ?」
なぜか私の家の前で倒れている、黒い物体。
真っ黒なスーツに赤色の血が滲んでいて
痛々しいぐらいケガが目立つ。
「あの...?」
ゆさゆさと揺さぶってみても、ピクリとも動かない。
怖くなって警察に電話しようとしたけど
見た目通り、もしかしてもしかすると危ない関係の人だったら、後でやり返されそうだったので。
警察を呼ぶのはやめて、スマホをポケットにしまった。